肌荒れ
朝寝坊をしても誰も怒らない日曜日が終わり、春の甘ったるい日差しがカーテン越しに降り注いだ。
今日から新しい1週間の始まりだ。
私は自室のある2階から階段を降り、洗面所へ向かった。
ふと、鏡に映る自分の顔に目をやると昨日はなかったはずのニキビがひとつぽつんと出来上がっていた。
何度繰り返せば気が済んだ、こいつまた出てきやがったのか。
いつもならそう思うところだが、
こいつは私のストレス、食生活の乱れ、睡眠不足の表れ、ありとあらゆる私の不満がこうして表れている、
つまりこいつは不満を抱えた私なのだと思った。
そう考えると、いつもなら
できると化粧の見栄えに左右する本っ当に憎たらしいやつだが、
おつかれさん、よく今日まで耐えたね、
おやすみなさい
とそっとしといてやれる気がした。
恐ろしく嫌な出来事も、
小さな出来事も、
視点を変えてみるとたいしたことじゃなくなるんだなと
私は顔を洗い、ニキビに薬を塗りこみ洗面所をあとにした。
まつお